212の21世紀〜マチは変われるか

第2部・評価編

 4.ごみと緑
 環境行政に地域間格差広がる

 「自然豊かなまちづくり」は、道内の市町村が競って取り組んでいるテーマです。町村部ではそれぞれの地域のランドマークともなるような公園整備が進み、都市部ではお年寄りや家族連れが気軽に憩える環境づくりが盛んに進められています。

 市町村立の都市公園の整備状況を住民一人当たりの面積(都市計画区域を単位に見ます)で比較すると、道内平均は二十三・八平方メートルで、全国平均の約三倍の広さとゆとりを持っていることがわかります。
都市公園の住民に対する有益性は、単純に整備面積からだけで推し量ることができるわけではありませんが、北海道総体としてはまずまずの状況といえるでしょう。

 ■札幌の公園面積は106位

 ただし、これにも地域間の格差が見受けられます。ランキング表にあるように全国平均(八・三平方メートル)を下回っている自治体が二十二市町村もあり、小樽(八・三平方メートル)旭川(十二・二平方メートル)といった都市でも水準が低く、札幌市は二十・三平方メートルで道内では百六位と下位にとどまっています。

 北海道は自然豊かで、札幌市は中心街に大通公園があるように都市公園の整備も進んでいるように思えるだけに、ちょっと意外な結果です。
地域の自然を守り、住みやすい生活環境を維持するという意味ではごみ問題があります。九七年度の場合、道内では約三百二十万トンのごみが排出されました。人口一人当たりにすると、一年間に五百六十キログラムですから単純に見てドラム缶で三本近くのごみを出した計算になります。これらのごみは主に市町村によって収集され、埋め立てたり、焼却処理されています。

       

 ごみの消却は猛毒なダイオキシンの発生が問題となっていますが、道内では全国に比べて埋め立て処理の割合が高くなっています。

 ■堆肥化処理はまだ少数派

 市町村間で比べてみますと、ごみ処理の実施率、収集率そのものは大きな差がありませんが、高速堆肥化処理などごみの有効活用につなげている自治体はまだ少数派です。この高速堆肥化処理と焼却処理を合わせた処理率で見ると、五十二市町村が五〇%未満で、埋め立てに頼っている自治体が多いことがわかります。処理率ランキングの上位には比較的人口規模の小さい町村が並んでいるのが目に付き、自治体の取り組み姿勢の違いが表れているようです。

 ごみ処理問題は環境問題、リサイクルと絡んで今後ますます大きな行政課題となると思われます。コストもばかにならないため、道内では複数の市町村が連携し合う「広域連合」を目指す動きが強まっています。
それだけに、ごみ行政については、自治体の知恵と創意工夫がためされています。その取り組み姿勢、住民の意思次第で市町村間の違いがますます際立ってくるでしょう。